RENOVATION 新離庵


阪神淡路大震災で被災し、新築で建て替えた木造2階建て単世帯住宅を数年前にリノベーションし、親世帯と子世帯が共に暮らす2世帯住宅に変化していた家を、この度、家族それぞれの生活様式の変化と共に、更なるニーズに合わせた新たな分離型2世帯住宅へとリノベーションするという計画である。リノベーションというと間取りが変わったり、仕上げ素材が変わったりして、元の空間とは全く違う空間が現れるが、それだけではない「何か」に着目する事で、印象の違う空間へと導けないか。そして、その「何か」とは、自然光であると考え、自然光をコントロールすることをテーマに掲げ、大きさやピッチが違う様々な格子を開口部や光の通り道に配置し、室内光量を調整することで、柔らかい光が空間を満たす。仕上素材というのは自然光を活かす為の脇役に過ぎない。格子や布を透過した光は柔らかさが増し、その空間を時間と共に支配する。そして自然光に支配された空間は静寂が漂う凛とした雰囲気を醸し出す。

写真:中村大輔