RESIDENCE 活絡荘


この家のご夫婦は共働きで、コロナ禍で大きく働き方が変わり、毎月の多くの時間が自宅でリモートワークとなっている。そして、この状況は今後もそれほど変わらないだろうという。それは仕事だけではない。そもそも旅行にも外食にも行けない訳である。更にコロナにかかれば隔離が待っている。つまり家で過ごす時間とその時間の価値が圧倒的に増えたりし、変わった訳だ。これまで食事をして寝るという超日常の場だった家で、仕事をする、授業を受ける、休憩する、部活動をする、旅行に行く、飲みに行く、遊ぶ、etc.という様々な社会活動が加わったことを意味する。しかし、その色々な社会活動という過ごし方が増えた分、それらの活動の場を固定しないことが、これまで以上に重要となる。そこで、活動の場を日替わりで変えられるような家とは?を問いながら設計を試みた。例えば昨日仕事場として使っていた場所は、今日は読書をする場であったり、授業を受ける場であったり、映画を見る場であったり、食事をする場であったり、飲み会(オンライン)の場であったりする。そんな、これまで家や職場、お店その他で行われていた様々な活動が家の中で立体交差するような空間が出来ないか?更にそこに心地よさが加わればこれからの新たな住空間の在り方を発見できるのではないか?日本の住宅が食寝分離の考えによって、その間取りが大きく変化した時代から随分時間(とき)が経ったが、今度は「仕食休寝」という新たな(いや元に戻ったのか?)価値観の元で、住宅が間取りの転換点に来ているのではないだろうか。因みに、この家のタイトルにもある活絡とは自在でこだわらない様という意味である。

写真:楠瀬友将