RESIDENCE 3DoV


徳島市内の海よりの住宅街の中に建つ4人家族のための鉄筋コンクリート造、2階建ての住宅である。東北の震災後しばらくしてからの設計だったことや、当該地が比較的に海から近いこと。国が公表している津波の想定高さなどがクライアントの強い要望から考慮され、それにより、建物の構造、建物の高さ、建物の形状などが決定されていった。更には、敷地が周辺の建物群に囲まれていることから、東西南北方向のみならず、上からの視線のカットを勘案して、開口部の位置や大きさなどが決められたが、これも強い要望の一つであった。そして、これらの諸条件から導き出された形状は複数のインナーテラスを含む3つのヴォリュームを主体とし、それらがズレながら重なり合うことで生まれる豊かな内部、外部空間を併せ持つ住宅である。

構造:片岡構造一級建築士事務所
写真:中村写真工房 中村大輔