RESIDENCE 3x20


尼崎市内でも人気の住宅地、武庫之荘での計画である。この住宅の敷地は、親が住む母屋が建つ敷地内にあり、そのことが、この住宅の形状を決定付ける上で、特殊な条件となった。敷地の北東寄りに母屋が建ち、その南には庭が広がっている。そして、建築が許されたのは、母屋の西側の5m程度の空きスペース。ここに、母屋より低く、母屋の南側を塞がず、母屋の深い軒をカットすることがない、住宅。その結果、幅3m、奥行き20mの住宅を計画することになった。絶対的な幅の制約によって限られた室内空間だが、縦横の両軸線上にある外を取り込み、外を「外部空間」に変えることで縦軸、横軸に広がりを与えた結果、幅が3mしかないはずの住宅だが、全くその幅の制約を感じさせない室内空間が完成している。

写真:絹巻豊