RENOVATION deterial


岐阜市内にある木造2階建て住宅の1階部分という小規模リフォームである。クライアントからの依頼は、基本的な既存間取りを変更せずに、仕上げとディテールに特化した改修により、空間を劇的に変えてほしいという内容であった。通常の設計プロセスでは、大きな「全体」から小さな「部分」へと焦点をシフトしていきながら建物を昇華させていく。その中での素材の選定やディテールは、あくまで「全体」を支えるための手段の一つである。しかし、ここでは「全体」(今回のケースでは外観や間取り)が決まっており、いきなり「部分」からのスタートであったため、「軸」をどこに置くかという事がポイントとなった。そこで、素材とディテールのバランスを軸に進めた結果、緊張感と優しさが共存する新しい空間が生まれたのではないかと感じている。

写真:絹巻豊