RESIDENCE finger hut Ⅲ


岡本のin/organicから西へ徒歩5分程度の場所に位置する3戸の建売住宅の計画である。3戸の住宅を同時に設計する機会というのもそんなにある事ではないので、ここでは、単体ではなく3戸の住宅を一体として捉え、全体で岡本らしい街並みとなるよう、意識している。南には大きなマンションが建っているため、全体として、のこぎり型屋根となるようにすることで、密集しながらも、それぞれの谷間から室内への採光を確保している。敷地北側には最大の特徴とも言える阪急沿線の桜並木が、立並び、その向こうには六甲山が見えている。そして、この景色を各住戸の室内に平等に取り込むために、建物はそれぞれ、2mずつずらし、大きな開口部を設けているが、これは同時に各住戸の外観的アクセントにもなっている。

写真:絹巻豊