BUILDING hatt


京都市内に建つ、地下1階、地上5階建ての複合ビルである。まず、地下は能会館となっていて、そこには本格的な能の敷舞台(T)がある。ここでは、能の稽古を中心に、時々舞台も開かれる。1階には複数のお茶室(T)があり、そこでは日本庭園を楽しみながら、お茶を頂ける。2階は能楽師でもあるクライアントのご自宅(H)で、3階~5階まではファミリー層向けの賃貸住宅(A)といった構成である。各層ごとの違うニーズに答えるために、必要な壁の量や位置が異なり、構造的にも非常に複雑な構成となった。能楽会館として、お茶室として、自宅として、賃貸住宅として4つの顔を持つことになるこの建物のファサードはかなり悩んだが、最終的には街のシンボルとなるような特徴的なものとなったのではないだろうか。

構造:TAPS
写真:中村写真工房 中村大輔