BUILDING in/organic


神戸市内の阪神間屈指の学生街、岡本でのテナントビル計画である。テナントビルの場合、依頼される内容の多くが建築のみの設計で、内装はテナント自身がされるケースとなり、今回もその例外ではなかった。2階建ての1フロア1室という小規模なテナントビルということと、正面以外は全て建物に囲まれており、建物の正面のみで建築的表現が可能な場所で、オーナーから出された依頼条件は「岡本らしいビル」ということである。そこで、岡本らしさとは何かということを街を歩きながらスタディーしていった結果、建築形態以上に素材の使い方に岡本らしさがあるのではないかと結論付けた。そこで、「岡本らしい」素材を全面的に使用した壁面を大きな壁画のように見せ、それが商店街の新しいシンボルとなるように試みたのが、このビルである。

構造:Bros.
写真:絹巻豊