RESIDENCE natural canvas


阪神間でも人気の高級住宅地、苦楽園に建つ住宅である。元々大きなお屋敷が建っていた場所を数区画の宅地に割った内の一番奥が今回の計画地である。敷地の裏側には広大な森林が広がり、様々な樹種が生い茂っており、初めて計画地を訪れた時、まるで自然のキャンバスのように見えた。オーナーもそれを気に入っておられたようで、その自然のキャンバスを出来る限り室内に取り込みながら計画を進めることになった。外部からは裏の自然が見えないような建物形状とし、代わりに全面木板張りという新たな自然の壁を構成し、訪問者を迎えているが、一旦内部に入れば、室内のどこにいても、可能な限り、裏の自然を感じれるような空間とした。これは苦楽園ならではの敷地条件と、そのことを、最大限活かすことが主課題となっている住宅である。

写真:絹巻豊