RESIDENCE basel


西宮市内の山手の住宅街に建つ住宅である。30代の若い住まい手が望んだのは、自分達が人生の一部を共に過ごし、その後の2人の住宅感に大きな影響を与えたヨーロッパでの生活経験で感じた豊かな空間である。そこで、この住宅では、住空間における豊かさの本質とは何かという事を再考し、敷地が持つ特徴をプランニングに反映することと、仕上げに使われる素材の素材感に注目しながら設計を進めた。真下を流れる川のせせらぎや川沿いの周辺環境(緑)、大阪方面の眺望を室内に取り入れること等は敷地の特性を読み解く上で、当然重視された。仕上げについては、室内における「素材」のバランスに注意しながら、様々な種類の「木」を効果的に使用することで、室内のバランスを保っている。ここで重要になるのは「素材感」のバランスとその「余白」である。

構造:下山建築設計室
写真:絹巻豊