RENOVATION cinquecento


大阪の福島区内には今も古い町並みが残る地域も多く、そんな一角の大きな煙突がある銭湯の脇に建つ、築70年弱の住宅のリノベーションである。くの字に曲がった細長い建物が建っていたが、奥の半分は平屋で、且つ老朽化に伴った傷みも激しかったため、減築し、その空いた敷地を奥庭としている。そうすることで、室内空間にゆとりと奥行きを持たせている。残した建物も、かなり傷みが激しかったため、筋交や、火打、梁等を追加することで、耐震補強を行っているが、その中でも最も大変だったのが、基礎補強である。元々の基礎は一部がRC、一部が煉瓦ブロック積という状態だったため、建物が沈下し、床がかなり下がっていた。そこで建物を一部ジャッキで持ち上げ、煉瓦基礎を撤去、そこへ新たなRC基礎を作ることで基礎補強を行った。

写真:絹巻豊