RESIDENCE Large hill


奈良市内の近鉄西大寺駅から徒歩圏内にある住宅街の中に建つ住宅である。奈良市内という事もあり、普段の設計スタイルとは別の視点で捉えた結果、当事務所としては珍しい切妻の大屋根を架けた住宅となっている。しかし、これには、別の理由もある。敷地南側には、くの字に曲がった大型中層マンションが建っているため、マンションの廊下や各住戸の玄関が全て計画地側に向いている。何度もマンションの廊下に立ち、計画地を見たが、非常によく見える。そこで、マンションからの視線を如何に遮るかということを検討した結果、南側に向かって大きな大屋根を架け、深い軒を作ることで9割方の視線を遮ることに有効であることが分かった。北側に天窓を設け、室内はゆったりとしたワンルームとする事で柔らかい光を室内全体に取り入れている住宅である。

構造:有限会社CASE
写真:絹巻豊