RESIDENCE omote


川西市内の40年ほど前に分譲が開始された、古い住宅街の一角での計画である。敷地周辺では、分譲当時に建てられた、ハウスメーカーの初期型のプレハブ住宅が多く残る一方で、建替えも進んでおり、新旧の住宅が入り混じった住宅街である。敷地は整形地で3方が2階建て住宅に囲まれているという、ある種どこにでもある条件下で何が出来るか検討した結果、周囲とできるだけ調和させつつも、他とは差別化が図れる建物を計画した。建物の高さは周囲の建物と高さを大体合わせ、屋根形状もシンプルな片流れとすることで、周囲との調和を図っている。屋根形状がシンプルな分、逆に屋根下に位置する壁を、数枚に分け、それぞれの壁の位置をずらすことで、幾つかの面を創り、全体に動きを持たせ、周辺建物との差別化を図っている。

構造:有限会社CASE
写真:絹巻豊