RESIDENCE scene-re


敷地は羽曳野市内の古くからある住宅街の一画に位置する。元々畑だった土地を農地転用し、3人家族のための木造住宅を計画した。敷地は南北に長い上、その南側には1m上がった所に4階建てのアパートが、まるで壁の様にそそり建ち、計画地への自然光をブロックしている。そんな計画地を初めて訪れた際、東側に建つ4棟の古い建売住宅が畑越しに目に飛び込んできた。これらの住宅群は、あまりに周辺の街並みのスケール感に馴染んでおり、もはや風景の一部と化し、何とも象徴的だった。そこで、計画建物も4つに分割し、そのヴォリュームを建売住宅群に合わせる事で、風景の再構築を図った。この4つのヴォリュームはアパートからの視線を遮りつつ、それにより生まれた新たな余白は自然光を室内へ届けるための仕掛けとなっている。

構造:下山建築設計室
写真:絹巻豊